4月のアトリエ・大きなリュックを背負い歩く人

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色々な思いを抱いて新たな生活に入った人も多い新緑の季節です。

今日は大きなリュックを背負って、県道の坂を冊子を読みながら歩く外国の青年を見かけた。近ごろはこのような旅をする人に出会わなくなったのに気付いた。雰囲気からみると、もう日本から出るような大きなリュックだった。

若い頃鉄道でヨーロッパを少し回ったことがあり、その時乗り合わせた女性の事を思い出した。
私のリュックサックの倍はある大きなリュックと大きなかばんを荷台に収めると彼女は小さなリュックからペンと紙を取り出し、座るとすぐに手紙を書き出した。
片言の英語で少し話をした。
彼女は小学校の先生をしていたが、これから1年間旅をする。これは自分にとってしなければならないこと、と言ったと思う。
厳しい顔をしていた。
彼女にとって何かを得るための修行のようなものなのだろう。
その時の彼女の顔と目はいまだに忘れられない。

私も一人で何とも心細い旅だったけれど、色々な人に出会った。
今ホームシックだと言って、家族の写真をたくさん見せてくれたアメリカの学生、
皆一人に耐え、自問自答しながら旅をするのは国は関係なく皆同じ様な気持ちであったと思う。

ベルリンの日本食レストランで働くおじさんは大学生だという、1年働き、お金を溜めてまた大学へ戻るそうだ。
その頃はお互い大学生で結婚して、一年づつ交代で働き、時間がかかってもやりたい事の為に協力し合うカップルも多かった。
何とものんびりとした時代だったのか、それとも日本とヨーロッパの価値観の違いなのか、ニュースで悲痛な面持ちで就職戦線に臨む大学生を目にするとこれで大丈夫かなと考えさせられる。

鉄道で出会った女性のように、若い時、体力がある時自問自答の旅をして欲しい。時に人種差別もあるし、良いことばかりではないが、孤独に耐え、五感を働かせての旅は多くの事を心に刻んでくれる。

ヨーロッパからの帰り、飛行機で出会った新婚旅行のカップル、二人で計画してヨーロッパを回ったという。
ちょっと羨ましかった。
次はこんな旅行がしてみたいと思ったけれど、果たせないままだな~!

 


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